キリムや絨毯同様に、このスザニも花嫁道具として結婚の決まった娘さんが未来の家族のため、また幸せな結婚生活を願って作ったり、また、花嫁の親族の女性たちが、晴れの日のプレゼントにと、ひと針ひと針仕上げたものだそうです。
それゆえに色とりどりの花々の咲き乱れる楽園のように華やかなデザインのものが多いのですね。
現在見られるスザンニでは、最も古くても18世紀に作られたもの。スザンニの最盛期もその頃と言われています。
でもこんなに洗練されたデザインです。もっともっと昔から、脈々と母から娘へ、娘から孫娘へと伝えられてきたに違いありません。
スザンニのデザインも時を経て変遷し、上の写真のような19世紀末までに作られていたスザンニは、20世紀初頭以降、作られることがほとんど無くなってしまったそうです。
人気のこのタイプのスザンニは、今やそのほとんどが欧米のコレクターのもとに集められているそうです。
|
Photo by M.Kobayashi |
↑ウズベキスタンの博物館にて(下も)
床に敷いてあるのはブハラ絨毯と呼ばれる絨毯。 |
Photo by M.Kobayashi |
ロンドンのオークションでは数100万円を超えることも珍しくない、18〜19世紀に作られたスザンニ。欧米へはやはり西側への窓口、トルコ・イスタンブールを経て渡っていったものが多いのでしょう。
イスタンブールのアンティークショップでも、まだ少しはそういうスザンニを扱うお店がありますが、なかなか目にする機会は少ないですネ。 |