キリムとは / キリムの選び方 / キリムの魅力いろいろ / キリムの豆知識
Kilim

トルコを中心に、西アジア一帯で暮らす遊牧民によって織られてきた
毛足のない平織りの毛織物『キリム』

絨毯と違って毛足がないキリムは、夏はさらっと涼しく、冬はウールの暖かさがあり、
オールシーズンお使い頂けるラグ(敷物)です。
ラグ、といっても敷物にするだけがキリムの使い方ではありません!
壁に飾れば遊牧民のアートとして楽しめるタペストリーに、ソファにかければソファカバーに、
テーブルやチェストの上に敷けばランナーに…と 1枚のキリムでもさまざまな使い方が出来るのもキリムの魅力です。

>>キリムを上手にお使いになっているお客様のお部屋例

当店ではキリムの織られた年代や品質から選ぶ「種類別」、
用途に合った大きさから選べる「サイズ別」でお好みのキリムをお探しいただけます。
キリム選びで困った時は、こちらのページ下にある キリムの選び方 がお役に立つかもしれません(^^

キリムを選ぶ

欧米で古くからインテリアアイテムとして愛されてきたキリムは、ヨーロピアンスタイルのお部屋にはもちろん、
エスニックなアジアンスタイルや和の空間など、どんなスタイルのインテリアにも実によくマッチします。
お部屋にキリムを1枚プラスすれば、インテリアのセンスもワンランクアップ!(↓お客様から頂いたお写真です)

実際に敷いた雰囲気

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キリムの選び方

キリム、と一口に言ってもキリムは主な素材であるウールの質や紡ぎ方・毛糸の染め方・織りの技法等、様々な要素によってお値段はさまざま。 違いがわからくて戸惑ってしまう方も少なくありません。
そこで、キリム初心者の方のため自分好みのキリムを見つけるためのポイントを、現在織られている新しいキリムと、古い時代に織られたオールドキリムと、大きく2つに分けてご紹介します!

〜キリムと絨毯の違いが解らない。そんな方はまずこちらから〜

新しいキリムの選び方
現在織られているキリムは、主に販売用に織られているものですが、いわゆる絨毯工房のようなところで織られるのではなく、織り元が各家庭に糸を配り、各家庭で女性たちが家事の合間に織っている点では古い時代と変わりがないといえるかもしれません。
現在織られているキリムでは、クオリティーを決める要因は大きく分けて3つ。
ウール糸の質、織りのレベル、染めの種類がキリムの質を大きく左右します。

まず、1番目の違い「ウール糸の質」
キリムには主にウールが素材として使われますが、一口にウールといってもそのランクは実にさまざま。一頭の羊でも、首のウールと背中のウール、お尻のウールでは全くクオリティーが異なります。 フリンジを触り比べてみると、ウールの質がよくわかります。 また、お手ごろなキリムに使われているウールは、元々のウールの臭いや糸を紡ぐ際の機械油の臭いが強く感じられるものも多くありますが、上質な糸ではにおいはほとんど感じられないほどです。

2番目の違いは「織りのレベル」
ウールの糸の太さや織りの細かさには、地域によって特徴があり、一概に細かいから優れていて、粗いと劣っているとは言いがたいのですが、新しいキリムの場合はやはり織りの密度の高いものがオススメです。 たとえば薄いキリムでも細い糸で隙間なくきっちり織り上げられているものは薄くて丈夫で耐久性があります。厚みのあるキリムでも、ざっくり隙間の多いものは、柔らかい織り地で耐久性は劣ります。

-check-キリムを織る様子はこちらをご参照ください。

最後の一つは「染め」 化学染料か天然染料か。
いまどきの化学染料でも、きちんとしたものは激しく褪色したりということはないのですが、天然染料のものは、使い込むほどに深みが増していきます。ただし、化学染料であれば数時間で染め上がるものでも、天然染料による染めの場合は、一度に染めることが難しく、染めては天日に干す、という作業を数回繰り返すため、一通りの色を染め上げるには数ヶ月の時間が掛かります。 そのため120年ごろから化学染料が入ってくると、瞬く間に天然染料による染めは廃れていったようで、現在織られているキリムのほとんどが化学染料によるもので、天然染料による草木染めをする工房は、トルコでも数えるほどしかありません。 ※ トルコのキリム屋さんなどでは何でも「草木染」といって高いお値段で売りつけようとするお店もあるのですが、化学染料と天然染料の判別はプロでも難しいものです。ご注意下さい。

-check-草木染めや配色についてはこちら。
草木染めの話のページをご参照ください。

オールドキリムの魅力と選び方 オールドキリムの魅力と選び方
オールドキリムは今から30年以上前の時代に、遊牧民の女性たちが、1枚1枚自分の家族のため、それぞれに都合の良いサイズで自由に織り上げたもの。 織られた地方ごとにデザインやモチーフ、使われている糸の太さ、色合いなども特徴がありますが、なんといっても家族を思って織り上げた味わいの深さが魅力です。

染料については120年ほど前から化学染料も入ってきているため、草木染のものばかりではありませんが、かえって経年による染料の褪色により、柔らかな色合いが楽しめるものも多くあります。 また、年月を経たウールには、独特のつやがあり、さらに遊び毛も少なくさらりとした手触りのものが多く見られます。
オールドキリムのお値段については、大きさだけでなく、年代、希少性、コンディションなど、さまざまな要因が関係しています。

当店では30〜90年前に織られたキリムを“オールドキリム”、同じく古い年代に織られたもので、より希少性やコレクションに適した価値のあるキリムを“アンティークキリム”としてご紹介しています。

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キリムの魅力いろいろ

■高いデザイン性
何よりもキリムの魅力的なところはそのデザインと色使いです。
遊牧民の生活の中から生まれたキリムは、お嫁入り道具として、また自分の家族を思って女性たちが織り上げたもの。
織り込まれたモチーフは、幸せな暮らしを願う縁起の良いものばかりです。
織られる産地によって、使われるモチーフやデザインにも特徴があり、また、織り方にも様々なバリエーションがあります。

≪キリムのモチーフ≫ モチーフ

-check-モチーフについて、もっと詳しく

≪織りの技法≫ 織りいろいろ

-check-キリムの産地

馴染むキリム
■美しい色使い
トルコでは、多様な植物が自生していたことから、さまざまな色で糸を染めることができたため、色合いもとても鮮やか。 一見お部屋に取り入れるのは難しいようにも見えますが、かえって室内のどこかにキリムに使われている色があり、不思議にどんなキリムも浮き立つことなくインテリアのスパイスとして取り入れることが出来ます。

■お手入れの容易さ ≪キリムはご家庭で洗えます!≫
ウールのキリムはほとんどが家庭でも手洗いすることができ(※)、
毛足がないため軽く、女性でも一人で簡単に敷き替えしていただくことが出来ます。
※簡単に手洗いできますが、上質なウールを使ったキリムであれば、汚れは非常につきにくいため、
 室内でお使いになる場合は数年に一度洗っていただく程度で十分です。

また、オールドキリムについては、どのような染料が使われているか不明な部分もあるため、
ドライクリーニングのご利用をオススメします。

ご家庭で洗う場合のお洗濯方法:
ご家庭で洗う場合はセーターを洗う要領で、ウール用洗剤(頭髪用シャンプーでもOK)を薄めたたっぷりのお水(縮み・色落ちの原因になるため、お湯は厳禁!)にキリムを浸し、押し洗いします。よくすすいだ後、形を整えて干します。洗濯機で軽く脱水して頂いても構いませんが、濡れた状態で干してしまえば、水の重みでしわになりにくく乾かすことが出来ますが、長期間濡れた状態で放置すると、色落ち、色にじみの原因となりますので、乾きにくい季節などは軽く洗濯機で脱水をかけたのち、干してください。
早く乾かすことが重要ですので、日向干しでOKです。 しわがよってしまった場合は、スチームアイロンを軽くかけていただくと伸ばすことが出来ます。

長期間お使いにならない場合は、風通しの良い場所に保管し、防虫剤のご使用をお勧めします。
(洗い方、保管方法とも、ウールのセーターと同じように考えていただいてOKです。)
普段は普通に掃除機を掛けていただいて大丈夫ですが房を巻き込まないようにご注意下さい。
(時々物干しに干して埃を払って、風に当ててあげるとより良いです。)
他、お取り扱い方法やキリムの活用方法等でお困りのことがありましたら、
是非一度、こちらをご参照下さい。→ FAQ よくある質問

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キリムについて

キリムの語源

キリムとは平織りの織物をさすトルコ語です。
西はモロッコから東は中央アジア〜インドまで、広い地域で織られているため、国・地方によってはケリムやギリムなどの違う呼称もありますが、欧米で主にトルコのキリムが流行ったため、トルコ語のキリムが英語化、一般化したようです。
狭い意味でキリムといえば、日本のつづれ織のような織り方のものをさしますが、広い意味でのキリムには、表面を刺繍のような技法で織っていくスマックやジジム、ジリと呼ばれるものも含まれます。

キリムの歴史

その起源は絨毯よりも古く、紀元前6-7000年ごろにさかのぼると言います。
人類ははじめ、木の皮や獣の毛皮などを敷いて生活していましたが、次第に平織りの織物が織られるようになり、より丈夫で保温性がある絨毯へと発展していったのです。 トルコを中心に、キリムが織られてきた地域は、遊牧民の暮らす地域。
キリムや絨毯は、遊牧民たちの文化に根付いた織物と言えます。

中でもキリムは、移動生活を行う遊牧民たちにとって、折りたたんで手軽に持ち運びが出来るうってつけの家財道具。財産としても、とても大切に使われてきました。 彼らはただ床に敷いて使うばかりでなく、テントの中の壁を美しく飾る装飾として使ったり、テント内の間仕切りとして吊るし、また、縫い合わせて食料の保存袋に使う他、家財道具を入れて運ぶ際のいわばトランクの役目も果たしてきました。

キリムと絨毯の違い
そのほか、箱型に縫い合わせ、テントの天井からつるしてゆりかご代わりに使ったり、布団袋として使ったベシュク、家畜に塩を与えるため、岩塩を入れるボトル型のトゥズルックなどもユニークな遊牧民の生活用品としてキリムで使われてきたものです。

トルコでは1960年代から遊牧民の定住化が政府の政策として強力に進められ、今では純粋に遊牧民と呼べる人はほとんどいなくなったといいますが、それでもソフラと呼ばれる正方形のキリムは食事の際のちゃぶ台代わりとして現在も使われています。

≪キリムと絨毯の違い≫

「敷物」という分類では同じように見られがちなキリムと絨毯ですが、これらは全く異なる織りかたで作られています。
簡単に見分けるポイントとしては「平織りがベースになっているものがキリム」
「表面に毛足(パイル)のあるものが絨毯」です。
経糸に横糸で模様を織り込んでいく平織りがキリムであるのに対し、絨毯は経糸にパイルになる色糸を結び付けて切って行き、結び目で点描のように模様を織り上げて行きます。

キリムと絨毯の違い

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